とおくてちかい。

あらかた30オーバーがすっかり板についた33歳OL。婚活悪い見本な活動歴。

たとえるなら部屋選びと似ている

2LDK+Sで、バストイレ別、キッチンは2口ガスコンロで家賃は6万円、という物件を見つけたのは去年の年末だった。
分譲マンションで駅から徒歩10分圏内。マンションの裏は図書館で、静かな環境。築年数はちょっと経っているし、立地は田舎県だけど、通勤時間が劇的に短縮されるので、すぐに不動産屋に連絡をした。
……内見して仮契約までしたけど、この部屋は結局色々あって本契約はしなかった。


うれしい悲鳴をあげてくれ (ちくま文庫)

うれしい悲鳴をあげてくれ (ちくま文庫)

ちょっと大きめの書店に行くと、この本を平台で目にする事が多くて嬉しい。
たくさんエッセイを読んできたけど、ベスト3に入る好きなエッセイだからだ。でも、なんで今こんなに売り出しにかかっているんだろ。手に入りやすくなって助かるけどさ。
いしわたり淳治さんのエッセイを読んでいる、と人に話すと、ほとんどの人の反応が「それって誰? 知らないなー」というものなんだけど、「Superflyの『愛をこめて花束を』の作詞をしてるんだよ」と教えると「あぁその曲は知ってるよ!」となる。
バンド時代も今も、作詞を多く手掛けているので、いしわたりさんは言葉を紡ぐのが上手い。

誕生日ってやつはいつも少し気が早い。
時間に厳しくて、絶対に遅刻をしない。
こっちに心の準備が出来ていようがいまいがお構いなしだ。

初めて読んだ時は、この誕生日に纏わるエッセイ*1が心に残った。誕生日が来るたびにこのフレーズを思い出す。
ここ数日また読みたくなって文庫を読んでいるんだけど、今回は恋人選びを部屋選びに例えたエッセイ*2が心に刺さった。

両者はよく似ている。どちらも星の数ほどある中からひとつあるいはひとりを選ぶ作業だし、欠点のない部屋や人間は存在しない。
(中略)
愛は与えた分だけ返ってくる。心が貧しくて相手に与えられるものをあまり持っていない人ほど、相手に多くを求めてしまう。それは「自分が支払う家賃」と「与えられる部屋」の関係に似ている気がする。
不満ばかりで、分をわきまえず強欲な人はいつまでたっても幸せになれないのだろう。人も部屋も悪いところを探したらきりがない。いいところを見て素敵だと感じながら暮らすほうが何倍も楽しくいられるのだ。

冒頭のあの部屋を契約しなかったのは、いくつか理由があるけど、その一つに日当たりがあった。欠点のない部屋はない。けど、譲れない部分はあるよな、と。

婚活において、私は結局わがままなんだと思う。だから、相手が見つからない。
婚活で出会った人の中で、「僕は人のいいところを探すのが得意なんですよ」と話す人がいた。きっとあの人には素敵な出会いがあったんじゃないかな。
……エッセイを紹介するつもりが自分の事を書いてしまった。

『うれしい悲鳴をあげてくれ』は、短いエッセイと小説がたくさん入っていてすごく読みやすいから、ぜひ読んでみて欲しい。素敵な言葉と出会えるので!

*1:『誕生日を祝う理由』

*2:『from 新居 with love』