とおくてちかい。

あらかた30オーバーがすっかり板についた33歳OL。婚活悪い見本な活動歴。

街コンには向かない年増2

混雑するエリアを抜け、絵画鑑賞をする私たち。
展示がフロアにまたがっているので、移動していたところ、主催者に声をかけられた。

「ここからは男性と女性、4人でグループで絵画鑑賞していただきます」

えっ、そんな話聞いてないよ。と、その場に集められた数組の男女ペアたちが困惑の表情を浮かべる。私もたぶん、ビミョーな顔をしていたと思う。

私と友人は、20代前半と思しき男性たちとグループを組むことになった。
あぁー、若いなぁ。社会人2、3年目じゃないかなー、年増と組ませてごめん、と彼らに心の中で謝った。

「美術館にはよく行くんですか?」「こういうイベントって参加するの初めてなんですよね」
当たり障りのない会話をしつつ、絵画鑑賞。だが、ちっとも集中できない。この人たちどんな人なんだろうか、とお互いが探り合っている感じ。
会話の中で男性の方は片方が美大卒だと判ったので、絵の解説をしてもらいながら、さぁ、少し盛り上がってきたぞ、というところでまたもや主催者が現れた。

「今度は男女ペアになって進んでいただきます」

女性は先に進んで下さい、と言われたので男性ペアとは別れ、次の展示室に向かうため、エスカレータを昇った。登りながら、そういえばさっきのペアとは自己紹介もしていなかったな、と気づく。気づいたところでもう遅いのだが。

エスカレータを昇って展示室に入る。あれ……、誰もいないよ??
展示室の中は美術館の職員以外、街コン参加者は私たち以外にいない。男性が待っていると思ったんだけど、誰もいない。この美術館は街コンイベントで貸切だけど、おい、これはおかしくないか。
待てども、他の参加者が現れる気配がないので、友人と絵画鑑賞を始める。

広い空間に、私たちだけ。

贅沢な時間であり、贅沢な体験である。だがしかし、街コンの趣旨としてはおかしくないか。強制的にさっきカップルにするって言ってたよね??

おかしいなー、おかしいなー、と言いながら最後の絵画を見終えてしまった。もう出口が見えるというのに、全然人とすれ違わなかった。このまま、出てしまっていいものかどうかを判断しかねるところだが、時計を見るとそろそろ主催者から指示されていたレストランの会食の時間が迫っている。

はい。

そう、私たちは結局後半誰ともすれ違わないまま、展示室を出てしまったのだった。

<続く>